楽譜は読めてるけど、どうにもリズムがうまくいかない。多分ここのリズムを直したら格段に良くなるんだけど…。なぜだ?何をどう指摘したら良くしてあげられるの?
…なんて、レッスン中に笑顔の裏で頭を高速回転させたこと、ありませんか?私はあります。そして具体的に指導してあげられないと己の指導力不足で非常に不甲斐ない気持ちになります。
少しでも思い悩むピアノの先生のお力になれればと、そんな時の主な原因とそれぞれの解決方法をまとめました!
原因&解決方法
一問一答形式でいきます…!
音価を理解できていない?
※音価を確実に理解出来ているかどうか確かめましょう。意外と、耳が良く頭の良い子ほど先生や音源のお手本を上手に真似できてしまうので、実は音符の意味を分かっていなかったりします。以前きちんと覚えていたとていても、人は忘れるものですから(特に小さな生徒さんほど覚えるのも忘れるのもあっという間です)「あれっ?」と思ったらすぐにチェック!
※音価:楽譜上の音符の長さを表す言葉。個人的には、音の重みなども感じられる良い言葉だなと思います。
➡《ケーキわけわけ》で納得と実感!
音符は、全音符を基本としてそれを2つに分けた《2分音符》4つに分けた《4分音符》…と展開していきます。丸いケーキを人数分で分けていく例えは年齢に関係なく受け入れやすいものです。数字という概念で音符の長さという概念を説明しようとすると、特に小学校低学年くらいまでの生徒さんは多くが途中で「???」となります。そうした時に最初からイラストやグッズ等の現物でケーキを分け分けしていくと皆「ほほう!」という表情で楽しく音価について理解してくれるので、おすすめです。ケーキをピザにしたりリンゴにしても良いですね。
もちろん年齢に合わせて最初から数字で説明しても良いですし、二枚目の画像の様に音符そのものを並べても◎。最終的には数字でも理解できた方が何かと便利ではありますので、生徒さんの成長に合わせて進めて下さい。
拍を認識できていないor拍が乱れている?
拍=ビート=曲の単位。基本的に1曲の中は同じ単位で進んでいくもので、例えば四分の四拍子の曲は4分音符を単位としてリズムをカウントして進んでいきます。
まずは練習している曲の単位(=拍)を理解できているか確かめましょう。理解していてもできていない場合は、演奏する段階で無意識にその単位が伸び縮みしてしまっているということです。どうしてそんな事が起きてしまうのか…。
多くの人は歩くときに意識せずとも一定のリズムで歩けますよね?
…というのをヒントに次へ進みましょう!
《歌って踊って》拍感マスター!
上で書いた、「人は意識せずとも一定のリズムで歩ける」というのは※リトミックを考案したエミール・ジャック・ダルクローズが発見し、その後の指導に役立てた考え方です。これをもとに、下記の手順で練習してみましょう!
①その曲の拍で、演奏したい速さで歩く(4分の4拍子なら4分音符刻みで歩きましょう)
②歩きながら、曲のメロディーを歌ってみましょう←メロディーだけでなく伴奏のベースラインなども歌ってみるととっても良い練習になります。
③どこか、歌いづらかったり歩きづらくなったりする所はありませんでしたか?そこが、拍が乱れているところです!
④③で見つけた場所を自然に出来るようになるまで歌って歩いて踊りましょう!!!
スペースがない等、色々な事情で歩けない時には歩く代わりに手拍子をうったりしても効果的です。
※音楽を利用して心身の感覚を総合的に使い、人間の成長と発展に役立てようとする一つの教育方
音符を組み合わせることができていない?
音価も拍もわかっているのに演奏したらおかしくなる場合は、それぞれをうまく組み合わせることが出来ずにいる事が多いです。まさに【リズム】として捉えられていないんですね。
《セリフ》をつけよう!
決まったパターンに決まった言葉を当てはめて、感覚でリズムを染み込ませていきましょう。難しく感じるリズムも、口で言えてしまばできたも同然です。例えば、『かたつむり』の冒頭「でーんでん、むーしむし」の付点リズムも私が普段使っているリズムセリフを使うと「じゅーうすぎゅーにゅー、じゅーうすぎゅーにゅー」になります。
使いやすいオリジナルを生徒さんと決めても楽しいですが、個人的には『オリズムピック』シリーズ(全音楽譜出版)がリズムセリフ含め、音価の解説なども視覚的にわかりやすくまとめてくれているのでおすすめです。
まとめ
レッスン中に、あれ?リズムがおかしいぞ?と思ったら上記3つのどれかに当てはまっていないかチェックしてみてください。解決方法は、ぜひ個々の生徒さんや状況に合わせて応用してみてくださいね。
これを読んでくださった方が楽しく演奏&レッスンできますように!
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