【練習】
ピアノに限らず、演奏する人ならば避けては通れない物ですね。正直、ここを読んでくれている方は練習がそんなに嫌いではない人が多いと思います。それゆえに、「レッスンが終わったら次のレッスンまで弾かない」なんて子の気持ちが分からず対処に悩んでいる先生も多いのでは?
300人以上の生徒を教える中で、いかに楽しく気楽に、継続して練習をしてもらうか試行錯誤した結果見えてきたポイント&方法をご紹介します。今回は①楽しさ第一!《幼児編》をお届けします。
3つのポイント
幼児さんのレッスンをする際に特に注意したいポイントをまとめました。
何をすればいいのか具体的にすぐ知りたい人はレッスン例に飛んじゃってください。
兎に角楽しく
言わずもがな、楽しくないものを続けるのは苦痛でしかありませんからね。楽器の練習は殊の外時間のいる根気が必要なものですし、真面目一辺倒にならず、何より長く続けられる事を目標にしましょう。ここで大事になってくるのが次の「達成感」です。
達成感
自分が出来ている、上手になってきてるという実感を得ることは、長期的な視点をもつことが難しい幼児にこそ大切です。これが無い、目的無く遊ぶだけの「楽しい」レッスンは、子供ながらに自分の成長が感じられないと「何か違うぞ?」と気づきます。
回数をこなす
回数を重ねればおのずと完成度が上がる部分が多く、幼児さんには不足しがちな手の筋力を底上げし、数をこなしたことそのものが生徒の自信につながります。
姿勢をよくしたい、手の形も大切、強弱も、音符の読み方も、リズムも…。伝えたい、やらせたい事たくさんありますよね。でも我慢です。せめて一つづつにして、上記三点を意識しながら宿題を出しましょう。
レッスン例
上でまとめた3つのポイントをもとに、必要なのは【見える化&ゲーム化】という結論にいたりました。実際にレッスンで使用した物の一部をご紹介します。
原っぱカード
生徒さん▶年中さん男の子👦
たぬき(以下た)「この曲、おうちで練習したらすぐに花丸になりそうだね」
👦「じゃあ次ね!(もう次の本開けてる)」
た「ちょい待ち。君にこれをあげよう(カードを見せる)」
👦「いらない!何それー」
た「これは弾く度に何かが増える魔法の原っぱです。原っぱには何があると楽しい?」
👦「えー?お花!」
た「素敵。じゃあ、今弾いたからここにお花が咲きまーす」
👦「ダメ!こっちに書いて!」
た「新しく咲かせるにはまた弾かなきゃ」
👦「じゃ弾く!!」
た「あとはお家でね。1回弾いたら好きなところに1つお花増やしていいから…ってストップストップ宿題にさせてくれ」
これはお絵描きがや塗り絵が好きな子にてきめんに効きます。目に見えて増えていく物があると、俄然やる気がおきるよう。お花は、恐竜の卵二なったりどんぐりになったりただの丸印になったりしますが、大事なのは本人の描きたい物にすることと増えたらワクワク楽しい物にする事。
スティックカウント
こちらはレッスン中に部分練習などを繰り返しさせたい時に使います。
すごく上手に弾けたら▶赤 まあまあなら▶青とか色分けすると子供たちも一生懸命集中して弾いてくれますし、「赤がビンゴになったら全部弾いてみよう!花丸になりそうよ!」「赤が五つ並んだらおしまいね」なんて目的に合わせた声掛けをしても良いですね。
このようなグッズを使わなくても、譜面台にビー玉を並べていったりする事で代用できますから、ぜひ色々試してみてください。
ポイントカード
フリーダウンロードできるものでも、百円ショップに売っているものでも何でもよいので、「おやつの前に弾いて、弾いた数だけお母さんにスタンプをもらってね」なんて言って渡します。もちろん保護者にあらかじめ相談しておく必要がありますが、親子で練習の様子や進度を分かち合えるので好評です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、練習をいかに楽しく沢山やるか、その方法について一例をあげました。
今後の人生でのピアノや音楽に対する印象を左右する幼児期だからこそ、楽しく練習してレッスンに来てほしいですよね。
やはり上手になると本人も楽しいですし、ピアノの上達のみを目標とするのではなく、継続していく事によって得られる物事に対しての付き合い方なんかも一緒に教えられたら先生冥利に尽きるのではないかと思います。
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