①理由はいらない!《幼児編》では練習の習慣がない子に対して、いかに楽しく練習をしてもらうかに焦点をあててお話ししましたが、今回は受験生編。
限られた時間で練習するための3つのポイントとレッスン実例をご紹介します。
受験が迫ってくると生徒も保護者も勉強に集中しなければと思い詰めて、それまで熱心にやってきた生徒さんほど、練習できない事を気に病んだりしがちです。最終的に習い事を『辞める』という選択をされると、先生としても寂しいですし、つらいですよね。
そうなる前に、時間がなくてもできる効率の良い練習方法で楽しく続けられるようにしましょう!
3つのポイント
時間がない受験生(の先生)に意識してほしいポイントはこちら!
分ける
分ける事で1回に弾く量を減らし練習に取り掛かるハードルを下げ、時間の負担を減らす事が目的です。分ける時にメロディの流れやハーモニー(和声)のまとまりを説明しながら分けると、曲の構造を理解するための練習になりますね。生徒自身に分けさせると楽譜を見る練習になるので◎
小さい生徒さんでも意外と楽譜の雰囲気を読み取って分けてくれます。
絞る
分けた中でも練習が必要な場所は限られます。各生徒のそれを見極め、短時間で集中→完成させるようにしましょう。いわゆる部分練習です。5秒で出来ます。最終的には生徒自身がその部分に気付き、自覚して練習できるようになればベスト!自立した練習になりますね。
理解する
曲の構造を理解する事で、練習の必要な場所や少なくて良い場所が分かり練習時間を短縮できます。同じような所だと気づかずに、「ここもあそこもあれも練習しなければ…!」と思っている子、意外と多いです。本当はそのうち1か所やるだけでいいのに。
レッスン例
上に載せた楽譜をもとに、実際のレッスンの様子を例としてご紹介します。
▶中学三年生女の子👧
👧「今週弾けてなくて…」
たぬき(以下た)「いつも勉強頑張ってるものね。そう言えば夏期講習始まったんだっけ?何時から行ってるの?」
👧「9時から18時です」
た「サラリーマンより拘束されてるよ!?そんなに忙しいのにレッスン来てくれてありがとうね。じゃあ、今日はまず先週やった④のおわりまでやろう」
👧「(④おわりまで弾く)」
た「今週弾いてないって言ってたけれど、こことか(②と③)滑らかでよくなってるよ。頑張ってるね」
👧「④が全然…」
た「そこ難しいよね。ここ(水色の印)だけひいてごらん?」
👧「(3回弾いて出来るようになる)できました!」
た「そしたら④全部弾いて。……うん、出来たね。家ではそこだけ練習すればすぐに全部ひけるよ。そしたら、この②~④と同じ部分はどこだったっけ」
👧「⑥~⑨です」
た「だね。※三部形式だからね。というわけでもう8割弾けるようになりました。今日は⑤と⑥を練習しよう!」
👧「はい!」
た「(宿題は⑥だけでよさそうかな。)」
※三部形式:全体が3つの部分からなっている楽曲の形式
曲を分けておけばスモールステップで確実に進められます!
まとめ
今は受験生に限らず、他の習い事や学童保育の関係でお家で練習時間を取れない子も多くなっています。むやみに練習を家でさせず、ポイントをおさえつつレッスン中にある程度まで一緒にやってあげたうえで、5秒からでも練習になることを話して安心させてあげましょう。
受験という大切な節目。目標に向かって頑張る生徒さんを上手に応援してあげたいですね。
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